2013年5月25日土曜日

【狛犬アルバム】東大寺南大門(奈良県奈良市雑司町)


 日本最古の石像狛犬と言われる東大寺南大門の狛犬を見に奈良に行ってきました。狛犬好きになってから、一度は見に行かなければと思ってきた狛犬です。


<設置されている場所>
南大門

<製作年>
建久七年(1196年)




 鎌倉時代に東大寺が復興された際に宋から訪れた石工によって作られたとされるこの狛犬ですが、正確には中国獅子と言うのが正しいです。阿吽にはなっておらず、胸には瓔珞(ようらく、観音像が首からかけている宝珠のこと)と呼ばれる飾りベルトがかかっているなど、中国獅子の特徴そのものです。

 この瓔珞もよく見るとさまざまな装飾品がかけられています。横からみると前足と首が一直線になっており背筋がピンと伸びています。口は直線的で四角いのも特徴です。800年以上前の石像ですが、これまで見てきた参道で風雨にさらされてきた狛犬とは全く異なり、繊細な彫りが残されています。

 全体的に毛は少ないのが特徴ですが、前脚の後ろ側に沿うように巻毛があります。また、尾は見当たらないのですが、後脚のかかとに巻き毛らしきものが見えていました。左右の像の差はほぼないのですが、向かって左側(通常であれば吽形)のほうが、正面から見るとかなり極点に右側(参道側)に傾いていました。

 奈良時代に中国大陸から日本に伝わった獅子は獅子・狛犬という日本独自の姿として宮中に置かれることとなりましたが、鎌倉時代のここ東大寺では純中国式の獅子像が作られました。江戸時代になると、狛犬は石像狛犬という形で庶民の目に触れるものとなり、そして現在、日本全国の神社の至る所で狛犬を、中華料理店の店頭では中国獅子を、そして沖縄ではシーサーという形で、私たちは獅子像の様々なバリエーションを目にしています。そんなことを考えて、何百年という単位での大きな時の流れを感じるとても意義深い訪問となりました。


<基本情報>
奈良県奈良市雑司町406-1


大きな地図で見る


<関連サイト>
◆「東大寺」(Wikipedia)
◆「東大寺」(公式ホームページ)
◆「南大門|境内のご案内」(公式ホームページ)
◆「狛犬分類学 6 護国」(狛犬ネット)
◆「狛犬分類学 7 中国獅子」(狛犬ネット)
◆「中国獅子」(liondogの勉強部屋)